Ich habe hunger

あふりかエンジニア、アフリカ向けのB2BのSaaSを開発する

アフリカで一体何をしたいんだっけ、という話

これは定期的に考えるんだけど、「なんでアフリカなんだっけ?」「アフリカで一体何をしたいんだっけ?」ということ。まぁ、これって多分日本で働いてても「なんでこの会社で働いてるんだっけ?」「この会社で一体何をしたいんだっけ?」というのは考えられるので、多分それと一緒なんだけど働いてる会社が「アフリカインキュベーター」なんて名前だし、顧客が(ほんとはケニアとかウガンダだけど、日本から見ると大きく)アフリカにいるのでこんな問いが出て来てしまうよね、という感じ。

今日はこんな感じでナイケルさんと飲んでたんだけど、まぁ色々話して色々考えることというかなんだ今自分はここにいるんだっけ、的なことを考えるきっかけになった。

一番初めは、フリーランスになりたてでちょびっと会社員やってるよりも自由がきくし、自分の周りで「アフリカ!アフリカ!」とか言ってる人もいなかったし面白そうだなー的な感じでやり始めたらなんだかんだで面白かった。ここの理由としては、多分自分がエンジニアをやってる理由になるんだけど、基本的にはテコの原理も含め技術っぽいものというのは自分自身のできることを拡張していくためのもの、という風に思っている。テコの原理を使えば自分の筋力で動かせる以上のものを動かせるし、電話を使えば遠くの人に声を届けられるし、活版技術を使うとその瞬間の自分のアウトプットを時間と場所を超えさせてあげられる。コンピュータを使うと自分が覚えていること以上のことを引き出すことも計算もできるし、人にいろんなことを伝えられる。自分が作った何かが人に影響を与えるのってすごいけど、自分の手の届かない人まで届くって本当にすごいな、というのが自分がエンジニアをやってる理由になる。

だから、大学生の時は塾とか学校の先生ってその瞬間に価値を提供できるかはともかくとして、自分が関わった人間がどんどん人生の分岐点に立つ、もっともっと前の時点でいろんなことを伝えることで人を媒介することで僕の考えることややりたいこと、考えてほしいことが伝播すれば良いかもなーなんて思ってたんだけど、たまたまプログラミングが面白かったのでこっちに来てしまった。

アフリカに少し戻ると、例えば目の前にある小さな商店と100m先にある商店では水やビールの結構値段が違うとか欠品しているとかそういうことがあるらしい、という話を聞いた。で、ボトルネックという一言で表せるほど単純な話ではないんだけども、結局ものを作った人から消費者までの間のルートに無駄があったりムラがあるよね、という話でそこら辺は解決したいよね、という話があって、それって一握りのメーカーの人たちが得する話でもなくて、消費者まで届くバリューというのに大きく関わることになる。東アフリカだけでも日本の人口に匹敵するぐらいいるし、西の方には日本の人口超えてる国もあるぐらい。そんなところで、価格差があったり在庫管理が大変なところを効率的にどうにか出来たら、きっとみんな使うだろうし、それをベースとして人件費や運送費などの経費を削減できたら・・・プロダクトの開発にお金も回せるだろうし、人も雇ってどんどん事業を拡大できる。そう考えると良くなるサイクルしかなくない?というのがあった。でも、これって別に革新的なことでもない。先進国では割と確立してるけど現地にフィットさせる形で事業持ってってる人がいないとかインターネットの普及とかいくつか理由は考えられるかもしれないけど、いつかくる未来であるのは確実で、それってある程度は約束されてそうではある。だから別に自分たちがやらなくても良いんじゃない?という感覚もある。でも、もしそこに僕らが関わることで10年かかる常識が5年、8年で常識になったらすごくない?考え方によっては、年単位で歴史を加速させた一因になれるのってすごくない?その歴史や常識を加速させると、どれぐらいの人に影響を与えられるんだっけ、というのが「なんでアフリカなんだっけ?」「アフリカで一体何をしたいんだっけ?」の答えだった。

そういう意味では、別にアフリカでなくとも良いんだけど、アフリカで何かやるのがめっちゃ面白いし、そこで繋がってくれる人も面白いし、自分の知らないことがたくさんあって、アフリカに訪れるたびに慣れることなく面白く感じられる、というのはアジアよりもアフリカなのかもなーとか思うところはある。

結局のところ、面白いことを面白がって一緒になってしてくれる仲間がいるというのは非常に大事で、代表の永井がいて、彼の周りに僕も含めて好奇心の強い人が集まってワイワイしてる環境ってすごく面白いんだよなーというのも「なんでこの会社で働いてるんだっけ?」の答えかもしんないな、という気もする。

が、上みたいな話をもやもやっと考えると、もしかすると宇宙に人類が出た時にパウチとかじゃなくて宇宙空間の重力がないようなところでも美味しいご飯を作れるメソッドや調理器具を開発するのも最高に面白いかもしれないな、というのはアフリカを飽きるほどに堪能した後にまた考えてみようと思う。